2013年3月19日火曜日

「話、まとめるのやめてください」…思いが炸裂した岡山トークイベント

作品公開2週目に突入した3月17日(日)。
4月6日(土)に公開を控えた岡山県のシネマ・クレール丸の内で
先行上映会および、井浦新さんと高岡蒼佑さんの舞台挨拶が行われました。

本日は、立ち見も合わせて150名を超える観客がクレールに。
何より、女子トイレで化粧直しをする行列。
今だかつて見たことのない劇場の風景に、劇場スタッフもびっくり…。

 


 

 

作品上映後、井浦さんと高岡さんが登壇。
大きな拍手、そして黄色い悲鳴。
最前列の観客から、井浦さんに花束がさっそくプレゼント。
それに喰い気味で、「僕も、お花ほしいな…」と、高岡さん。
作品の三好同様、母性本能をくすぐるセリフ、たまらんです!

そんな掛け合いをしながら、
撮影現場の様子や監督とのやり取りを語り始めるお二人。
監督との思い出に話が移り、井浦さんは、
「今まで、かっこつけて役者をやってた自分に、
本当の意味で映画を作る楽しさ、演じる楽しさを教えてくれたのが、
若松監督だった」と。
そこから、どんどんトークに熱が帯びていく井浦さん。
映画の在り方や俳優の在り方…、監督から受け継がれたもの、
そして、今後自分が受け継いでいくものを語るその姿は、
まさに若松監督が乗り移ったよう。
「役者論を語るヤツって、俺大嫌いなんですよ」と言い放った井浦さんに
完全に重なる若松監督の姿。
以前、『キャタピラー』のインタビューで激を飛ばしていた監督の姿そのもので、
現場にいた自分は涙が出そうに。
その熱さは、舞台挨拶終了後、
「俺、今日は変なスイッチ入っちゃった」と本人も驚いていたほどでした。


井浦さんからは、『千年の愉楽』だけでなく、監督の過去作品に関する話も。
「僕は、監督の作品の中で、『寝盗られ宗介』が一番好きです」
というコメントに、会場からは「おぉ~!」と歓声が。
会場のファンが興奮するのも当然。
と言うのも、実は『寝盗られ宗介』主演の原田芳雄さんは、
奥様の実家がある岡山と、並々ならぬご縁があるのです。
昨年秋には、有志によって「原田芳雄映画祭」が開催。
そこでも、『寝盗られ宗介』は上映されていたのです。
そんな原田さんの話が、井浦さんの口から直接語られ、
会場の映画ファンは言葉にできない喜びに包まれました。



そして、あっという間に所定時間が過ぎ、司会が最後の締めにかかろうとしたとき、
「話、まとめるのやめてください」と、司会の静止を振り切る井浦さん。
会場からはもちろん大きな拍手! 
その後、司会者と井浦さんがあわや乱闘騒ぎに…というのは冗談ですが、
映画の魅力を、若松監督の思いを伝えるという使命をおびた井浦さんの
強い意志が感じられました。
この一言は、2人がお目当てだった多くの観客が、
本当の意味で若松映画ファンになった瞬間でもありました。

さらに続くトークライブ。
高岡さんのキャスティングについては、お二人からこんな話も。

高岡「正直、『千年の愉楽』のお話をいただいたとき、
プライベートでいろいろあった時期だったんで、
お断りしようって思ってたんですよね。
寺島しのぶさんが僕を指名してくれたって説もあったんですけど、
実際俺なんで呼ばれたんですかね??(笑)」
井浦「監督って、見えない圧力や権力に虐げられている人にすごく共感するんだよ。
ワイドショー好きだったからな~。当時、ワイドショーに高岡がいっぱい出てたからね」
高岡「そう言えば、監督に『俺、お前の演技見たことないから』って
言われましたよ(笑)。そういうことだったんだ」

その後、高岡さんの口からは、過去に世間を賑わせたtwitter騒動の件も。
普通なら避けてしかるべき話題にも関わらず、
当時の様子や報道に対する違和感も飄々と語ってくれました。
自分が正しいと思ったことをそのままストレートに言える、
若松監督のように一本筋が通った一面を、高岡さんにも感じました。


最後に、はるばる兵庫県からやってきた男子高校生に井浦さんから
「この映画、どうだった?」と逆質問も。
「最初の井浦さんのシーンはインパクトがあって印象的だった。
そのあと、オバアの回想として3人の男たちの生き様が描かれていた。
とても分かりやすかった」と、大人顔負けのすばらしい感想が。
井浦さん&高岡さん、そして会場の観客から感嘆の声があがったのは
言うまでもありません。
そのほかにも、作品について多くの観客と語り合い、
最終的に30分の舞台挨拶が、1時間を超えるロングトークライブに。
岡山の映画ファンにとっては、至福の時間となりました。


岡山を発つ直前に、井浦さんはJR岡山駅構内にある
岡本太郎氏の陶壁画「躍進」のもとにも。
短い時間でしたが、シネマ・クレール丸の内での舞台挨拶とともに
岡山での思い出を残していただけたようです。




『千年の愉楽』岡山公開は、4月6日(土)より、シネマ・クレール丸の内にて。
http://www.cinemaclair.co.jp/

さらに、今回の『千年の愉楽』先行上映会での舞台挨拶の
完全版&井浦新さん・高岡蒼佑さんインタビューは、
4月上旬に タウン情報おかやま 
http://www.vis-a-vis.co.jp/tjo/
で公開予定です。ぜひこちらもご覧ください。

※取材・撮影/タウン情報おかやま 河野愛

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