2011年5月27日金曜日

またまたクランクイン!疾走続く若松監督

昨日、若松組「海燕ホテル・ブルー」(船戸与一原作)ロケがスタートした。

台本が刷り上がったのは、今月半ば。
その後も、日々、監督の中で新たなイメージが生まれ、本は次々と書き直されていく。
真っ黒な砂漠、暗くうねる波しぶき、その茫洋と広がる風景の中に、
閉じ込められてゆく男たち、摩訶不思議な女……。
監督の口から語られるのは、まさに、1970年前後の若松作品に描かれる、
荒野の密室劇のイメージそのものだ。
人間の業、胎内を思わせるような空間、どこまでも不毛なこの社会…。
話しを聞いているだけで、ゾクゾクしてくる。
完成を、楽しみにお待ち下さい!


さて、昨日のファーストシーンの撮影は、埼玉にある中古車整備工場にて。
「実録・連合赤軍」で吉野雅邦を演じたウダタカキが登場した。
「台本なんて信じるな!」という監督の現場の空気をすでに知っているウダ、
自分自身の内側からリアルな言葉として思いが漏れ出す。
相対する主演の地曵豪の口から出る言葉も、もはや台本に書かれた台詞はどこにもない。
お互いのギリギリのせめぎ合いは、まるでジャズのセッションを聴いているようだ。
その後、三郷のトンネルで緊迫感溢れる強盗未遂シーンの撮影後、
都内のバーにてワンシーン撮影。
若松監督行きつけの新宿二丁目のバー「ナジャ」にて。
「三島由紀夫」クランクアップからわずか4週間足らずでのクランクインという、
ハードなスケジュールだったが、若松監督は、周囲の心配をよそに、
初日から若松節を炸裂、熱気溢れる現場となった。

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